Da-Dz
◆dah
dah
モールス符号でいう長点の発音(日本ではツー)。たとえばKを発音するとき日本ではツートツーだが、英語では「ダーディダー」(dah-di-dah)になる。

◆DARC
Deutscher Amateur-Radio Club
ドイツ・アマチュア無線連盟の略語。機関誌は「CQ DL」という。「ドイッチェランド・ディプロム」(DLD:Deutschland-Diplom)というアワードを発行していて、ドイツ・アマチュア無線連盟が定めるドイツ国内の地域(DOK)のアマチュア無線局と100局以上交信してQSLカードを得る。DLD100〜DLD1000まで、100局ごとにアワードが追加発行される。新しくアワードを取得したアマチュア無線局は「CQ DL」に掲載される。

◆dash
dash
「ダッシュ」。モールス符号でいう長点。発音すれば「ダー」(dah)。対語は「ドット」(dot)。「ダッシュ」の長さは「ドット」の3倍。

◆Dayton Hamvention
Dayton Hamvention
米国オハイオ州(2008年は Trotwood のハラ・アリーナ)で毎年5月に開催される「デイトン・ハムベンション」。1952年からデイトン・アマチュア無線協会(DARA:Dayton Amateur Radio Association)が米国各州をはじめ世界中からアマチュア無線家を迎えて毎年開催するハムフェア。近年は参加者が数万人規模の人気フェアであり、無線機やパーツや電鍵などの売買でにぎわう。

◆db
decibel
デシベルの略号。dBと表記することもある。通信で電力の利得や減衰を表す単位として用いられてきた。出力と入力の比の常用対数に10を乗じたもの。電圧、電流、音圧、振動の大きさなどを表す単位としても用いられている。十分の一を意味する「デシ」と、単位の「ベル」(電話の発明者ベルにちなむ)の複合語。

◆DBM
double balanced modulator
「二重平衡変調器」の略号。

◆DC
direct current
直流。交流はAC(alternating current)。

◆DC-ACコンバータ
DC-AC converter
直流を交流に変換する装置。家庭用電源は交流なので、交流電源仕様のリグなどを車内で使うとき、このDC-ACコンバータを用いる。

◆DC-DCコンバータ
DC-DC converter
直流の電圧を変化させる装置。俗に「でしでし」とも言う。

◆Delta loop antenna
Delta loop antenna
「デルタループ・アンテナ」。キュービカル・クワッド(cubical quad anntena)のエレメントは四角だが、これを三角にしたもの。キュービカル・クワッドを参照。

◆di/dit
di/dit
「ディ」または「ディッ」。モールス符号でいう短点の発音(日本ではト)。たとえばDの発音は日本ではツートトッだが、英語ではdah-di-ditとなる。

◆digit
digit
「桁」の数。2桁は「two digit」。

◆digital
digital
「デジタル」。「1か0か」のように離散的な飛び飛びの値をとること。コンピュータとそのネットワークでは、電流の「有無」やパルスの「有無」をもとに情報処理や電気通信をおこなっている。対語は「analog」(アナログ)。

◆DLD
Deutschland-Diplom
ドイツ・アマチュア無線連盟(DARC:Deutscher Amateur-Radio Club)が主催・発行している「ドイッチェランド・ディプロム」というアワード。ドイツ・アマチュア無線連盟が定めるドイツ国内の地域(DOK)のアマチュア無線局と100局以上交信してQSLカードを得る。DLD100〜DLD1000まで、100局ごとにアワードが追加発行される。新しくアワードを取得したアマチュア無線局はドイツ・アマチュア無線連盟の機関誌「CQ DL」に掲載される。

◆dot
dot
「ドット」。モールス符号でいう短点。対語は「ダッシュ」(dash)。「ダッシュ」の長さは「ドット」の3倍。

◆Dots and Dashes
Dots and Dashes
ドットとダッシュ。モールス符号でいう短点と長点

◆downlink
downlink
ダウンリンク。衛星通信で、人工衛星から地上に送信してくる電波がダウンリンク(下り回線)。逆に、衛星通信で、地上から人工衛星へ送信する電波がアップリンク(上り回線)。

◆DP
dipole / dipole antenna
ダイポール・アンテナの略語。ダイポールの原意は「2極」。長さが等しい2本のワイヤー(エレメント)を絶縁碍子の両端にそれぞれ結び、絶縁碍子を中央として2本の柱の頂部に左右対称に張るのがダイポール・アンテナ。各エレメントの長さは1/4波長(アンテナ全体で1/2波長)とするが、長さを微調整して整合をとる必要がある。給電点の中央部では2本のエレメントの端にそれぞれフィーダ(給電線)をつなぐ。自作が簡単なことからアマチュア無線用のアンテナとしては最もポピュラーである。水平に張ったものを水平ダイポールという。垂直に張ったものを垂直ダイポールという。別名「ダブレット・アンテナ」(doublet antenna)とも。

◆DSB
double side band
AM波からキャリア(搬送波)成分を取り去った両側波帯のこと。1960年代の自作派の間ではDSBとSSB(Single Side Band)が実験的に混在していた。

◆DTMF
Dial Tone Multi Frequency
無線機やプッシュ式電話器などでボタンを押すたびに発信される音。トーン信号ともいう。DTMF機能を搭載したトランシーバでは、ハンド・マイクに16個程度のプッシュボタンを備えてトーン信号を発する機種もある。

KENWOOD機向けのDTMF機能搭載ハンド・マイク

◆DVM
Digital Volt Meter
「デジタル・ボルト・メーター」の略号。旧来型のテスターが針で電圧などを表示するのと異なり、液晶ディスプレイなどに電圧や電流や抵抗値を数値で表示する測定器。

◆DX
Distance
ディーエックス。長距離通信または遠距離通信のこと。

◆DXAC
DX Advisory Committee
ディーエックス・エーシー。米国ARRLのDX諮問委員会の略号。DXCC関連などの任務に当たっている。毎年、アニュアル・レポートを発行している。

◆DXCC
DX Century Club
「ディーエックス・センチュリー・クラブ」の略称。米国ARRLの関連クラブ「DX Century Club」の略号。クラブ会員になるにはARRLが定めるDXCCリストに基づく世界の100エンティティ以上のアマチュア無線局と交信する必要がある。アワードが会員証(DXCCカード)を兼ねる。DXACがDXCCカード発行をチェックする。なお、ARRLが定めるDXCCリストに基づく世界の100エンティティ以上のアマチュア無線局と、80/40/20/15/10mの5バンド全てで交信し、QSLカードを得ていると得られるアワードとして「5BDXCC」(Five-Band DXCC)がある。ただし5BDXCCの場合は厳しい条件が付帯されており、5BDXCCを申請する時点でDXCCリストから削除されているエンティティはカウントしないし、1945年11月15日以降の交信だけが有効である。DXCCカードは全世界のDX'erたちのあこがれの的である。
一方、ARRLが規定するDXCCリスト(DX Century Club list)の現存するエンティティのうち、未交信のエンティティが一桁(つまり9エンティティ以下)になると、その栄誉を讃えてオナー・ロール(DXCC Honor Roll)入りする資格を得る。2007年10月現在、現存するエンティティは337なので、328エンティティ以上の交信証明が必要だということになる。いかにオナー・ロール入りが困難かを物語る。DXCCオナー・ロールとはDXCC名誉会員またはその名簿のこと。
なお、かつてDXCCはエンティティ(国家などの自主独立体)をカントリー(country / countries)と呼んでいた。この改称は、ARRLが1998年3月に新ルール「DXCC 2000」を制定したことによる。DXCCルールは2006年6月にもエンティティなどに関する一部が改訂され、2006年6月15日の0001Z(協定世界時)に施行された。

DXCCアワード

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◆DXCC 2000
DXCC 2000
1998年1月17日にARRLの「DXCC 2000委員会」(DXCC 2000 Committee)が制定、ARRLが1998年3月31日に施行したDXCCの新基準(new criteria)の通称。改訂を協議した「DXCC 2000委員会」の名に由来する。主な改訂内容は、「カントリー」を「エンティティ」と改称したこと、マイル表現をメートル表現に変更したこと、「島」の最低条件について「満潮時にも水面上にある自然が形成した長さ100m以上の陸地」と変更したことなどである。

ARRL Bulletin 8 (ARL008)から抜粋
Approved by the Board were rules changes for the DXCC program that had been recommended by the DXCC 2000 Committee. In the future, countries will be referred to as entities. A political entity will be added to the DXCC list if it meets any one of three criteria: it is a UN member state, it has an ITU prefix block assigned, or it has a separate IARU member society. The new criteria also replace all DXCC measurements, including physical separation distances, with metric system figures roughly equivalent to the former distances. While the 57 entities on the deleted list will remain, no new countries will be added to the deleted list in the future. Deleted entities simply will be removed. In addition, the new rules specify a minimum ''island'' size of 100 meters measured in a straight line. The DXCC field checking program will remain in place. The effective date of the changes will be announced later this year.

◆DXCCHR
DXCC Honor Roll
DXCCオナー・ロール(DXCC名誉会員またはその名簿)の略称。ARRLが規定するDXCCリスト(DX Century Club list)の現存するエンティティのうち、未交信のエンティティが9エンティティ以下(一桁)になると、その栄誉を讃えてオナー・ロール入りする資格を得る。2007年9月現在、現存するエンティティは337なので、328エンティティ以上の交信証明が必要だということになる。いかにオナー・ロール入りが困難かを物語る。なおオナー・ロールとは「栄誉名簿」のこと。

DXCC名誉会員リスト(2007年9月23日現在)


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◆DXCC チャレンジ
DXCC Challenge
160m〜2mバンドで、合計1,000エンティティ以上の交信をコンファームすると得られる栄誉。正式呼称は DX Century Club Challenge Award である。

DXCC チャレンジの栄誉を讃える盾

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◆DXCCリスト
DX Century Club list
アワード兼DXCCカード(会員証)を取得するには、米国ARRLが定めるリスト(1998年改訂版:DXCC List 1998 revision)に登録されている世界の100エンティティ以上のアマチュア無線局と交信する必要があるが、このリストがDXCCリスト大陸別のDXCCエンティティ・リスト日本語のDXCCリストがインターネットに公開されている。2007年10月現在、DXCCリストのエンティティ数は337である。

DXCCが定めるカントリーの地図の一部

◆DX'er
DX'er / DXer
ディーエックサー。長距離通信に歓びを見いだして活動しているアマチュア無線家。DXスポットなどが掲載されている「Ham Radio : DX Resources」。スポッターを参照。

◆DX通信
DX communication
主に海外と交信することをDX通信という。VHFやUHFでの意外性のある遠距離通信をDX通信と呼ぶことがある。

◆DXハンター
DX hunter
海外の珍局と交信するのに熱心なアマチュア無線家。

◆DXペディショナー
DXpeditioner
DXペディションをする人を英語で DX-peditioner という。有名な伝説的 DXpeditioner のひとりにロバート・デニストン元ARRL会長(W0NWX/W0DX)、愛称ボブがいる。1948年におこなわれた歴史的なDXペディションのひとつであるバハマ諸島での「ゴン・ワキ VP7NG DXペディション」(Gon-Waki Pedition)で、ボブ(当時はW4NNN)は同島に設置されたVP7NG局から三人の運用者の一人として活躍した。この業績から、以後、「近代的DXペディションの父」(father of the modern DXpedition)と呼ばれるようになる。ちなみに「ゴン・ワキ」("Gon-Waki")とは、その前年の1947年におこなわれた、いかだの「コンチキ号」("Kon Tiki":コールサインはLI2B)が太平洋航海のペディションに成功したことに由来するパロディーである。ボブは、2002年5月、引退してビーチホテルとバーを経営していた英領バージン諸島の Tortola で、突然サイレントキーに。享年83歳。また1960年代に世界的に活躍した米国イリノイ州シカゴ出身のドン・ミラー(Donald Alan Miller、W9WNV、その後はAE6IY)がいる。1962年に駐韓米軍の軍医として韓国にいたドンは、1963年2月に北太平洋・マリアナ諸島のロタ島(当時は米国信託統治領)でDXペディションをおこない、次に1963年5月31日から6月2日までの足かけ3日間、米国占領下の沖ノ鳥島で「KG61D」のコールサインでDXペディションを実施した(とされている)。後にドンは「偽りのDXペディションだったのではないか」「妻殺しを図ったのではないか」などの疑いをかけられたことにより米国カリフォルニア州刑務所に入れられたが、その後、アマチュア無線仲間たちの支援もあって、2002年6月に仮釈放された。

◆DXペディション
DX expedition
遠距離を意味するDXと、遠征を意味するexpeditionを掛け合わせた言葉。DX'erのためにアマチュア無線局が少ない国・地域へ遠征して運用すること。「DXペディ」はそのつづめ読みの俗称。日本語で「ペディション」(エクスペディション)というと、DXペディションだけでなく、JCCやJCGのために日本国内の市や郡へ移動して運用することも含む。

歴史的な「ゴンワキ DXペディション」:「Gon-Waki pedition」を参照。
左からCharley Orr(W4NND)、Buddy Buttizoni(W3GRP)、Bob Denniston(1948年、VP7NG局で)


 ©ARRL


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